面接官は、会社の「顔」です。候補者は面接の場で、あなたの話す内容だけでなく、態度・表情・言葉の選び方・空気感のすべてから「この会社はどういう会社か」を判断しています。私自身、転職活動中に「上から目線で、答えるたびに疑うような質問を返してくる」面接を受けた経験があります。そのとき感じたのは「こんな人が面接をしている会社は、居心地の悪い会社に違いない」という確信でした。この記事では、候補者が面接で何を見ているかを解説します。
この記事でわかること
- 「こんな会社には入りたくない」——候補者として受けた面接の体験談
- 候補者は面接で「会社そのもの」を見ている
- 候補者が面接官から感じ取っている5つのこと
- 面接官の態度が内定辞退・採用ブランドに与える影響
- 「選ばれる面接官」が実践していること
- 面接は「見極める場」であると同時に「会社を選んでもらう場」である
「こんな会社には入りたくない」——候補者として受けた面接の体験談
私はキャリアの中で、転職活動として面接を受けた経験があります。その中で、今でも鮮明に覚えている面接が2回あります。
どちらも共通していたのは、面接官の態度が「上から目線」だったことです。私が答えるたびに、一つひとつを疑うような質問が返ってきました。「本当にそうですか?」「それは実際にはどうなんですか?」という言葉が続く。圧迫というより、こちらの誠意を最初から信じていない、という空気が面接室に漂っていました。
そのとき、私の中にはっきりとした感覚が生まれました。
結果として、私はその会社への入社を選びませんでした。選考結果の問題ではなく、「この会社で働きたい」という気持ちが、面接の場で完全に消えてしまったのです。
面接官として長年仕事をしてきた私でさえ、候補者の立場になればこう感じる。面接官の態度は、それほど直接的に「この会社に入りたいかどうか」という候補者の意思決定に影響するのです。
候補者は面接で「会社そのもの」を見ている
多くの面接官は、面接を「候補者を評価する場」と捉えています。しかし候補者の側から見れば、面接は同時に「会社を評価する場」でもあります。
特に今の時代、候補者は面接に来る前から口コミサイト・SNS・OB訪問などで会社の情報を集めています。しかしどれだけ事前情報があっても、「実際の社員がどんな人か」「職場の空気はどうか」は、面接の場でしかわかりません。
候補者にとって、面接官はその会社の「サンプル」です。「この面接官のような人たちと毎日働くことになるのか」という視点で、候補者は面接官を見ています。面接官一人の態度が、会社全体の印象を決めてしまうことがあるのです。
候補者が面接官から感じ取っている5つのこと
候補者は面接の場で、意識的・無意識的に次の5つのことを感じ取っています。
面接官の態度が内定辞退・採用ブランドに与える影響
「面接官の態度が悪くても、採用できればいい」と考える経営者・人事担当者がいますが、これは大きな誤解です。
「選ばれる面接官」が実践していること
候補者から「この会社で働きたい」と思ってもらえる面接官は、具体的に何をしているのでしょうか。
候補者から「この会社に入りたい」と思ってもらえる面接官の行動
・来てくれたことへの感謝を最初に伝える——「今日は時間を取っていただいてありがとうございます」
・話を最後まで遮らず、丁寧に聴く——うなずき・相槌・アイコンタクトを意識する
・候補者の話を否定・疑わず、まず受け止める——「なるほど、そういう経験をされたんですね」
・会社のできることとできないことを正直に伝える——良い話だけでなく、課題も誠実に伝える
・候補者のやりたいことに真剣に向き合う——「それは当社でこういう形で実現できると思います」
・面接の最後に「今日はありがとうございました」と心を込めて伝える
これらは特別なことではありません。「相手を一人の人間として尊重する」という基本的な姿勢から自然に出てくる行動です。しかしこの基本が、面接の場ではどれほど重要かを、多くの面接官が意識できていません。
面接は「見極める場」であると同時に「会社を選んでもらう場」である
面接には、2つの役割があります。
この2つが両立したとき、初めて面接は本来の機能を果たします。見極めだけに集中して動機づけを忘れると、優秀な候補者ほど他社に流れていきます。面接官は「会社の顔」として、この2つの役割を同時に担っているという自覚を、常に持ち続けてほしいのです。
まとめ:あなたの面接が、会社の印象を決めている
「上から目線で、答えるたびに疑うような質問を返してくる面接官」——私が候補者として経験したこの面接は、その会社への入社意欲を完全に消してしまいました。
面接官はその会社の「サンプル」です。あなたの態度・言葉・誠実さが、候補者にとっての「この会社の印象」を作っています。どれだけ良い求人票を書いても、どれだけ採用にコストをかけても、面接の場での一言・一つの態度がすべてを台無しにすることがあります。
「見極める」と同時に「選ばれる」面接官になること——これが、採用を成功させる面接官の本質です。
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「見極め」と「動機づけ」を両立する面接官になりたい方へ
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田中 和義
株式会社エス・シー・ラボ 代表。人材ビジネス業界35年以上、管理職経験25年以上。この6年間、面接官トレーニングのセミナー・企業研修を日本全国で展開し、年間170回以上の企業研修・講演を行う実践派講師。2,000人以上の面接官・経営者へのトレーニング実績を持つ。面接官トレーニング・採用力強化・傾聴力・コーチング・ハラスメント防止・提案営業力強化を中心に、現場で使えるスキルの習得を支援している。2026年8月30日、著書『採用を成功に導く面接官超入門 失敗しない見極め&動機づけの実践スキル』発売。