以前の記事で、中途採用面接で本当のビジネススキルを見極めるための「きっかけ」「具体的行動」「成果」「振り返り」という4つの質問をご紹介しました。しかし実際の面接では、この4つの質問だけを機械的に投げかければいいわけではありません。候補者の答えの中に出てきた言葉を拾い、そこからさらに一段深く掘り下げるオープンクエスチョンが組み合わさって、初めて本当の実力が見えてきます。この記事では、その組み合わせ方を、模範対話例で解説します。
この記事でわかること
- 面接の設定——法人営業職の中途採用候補者
- 模範対話例:4つの質問と、その場で生まれる深掘り
- この対話で使われている質問技術の解説
- 「型」と「その場の深掘り」、両方が必要な理由
面接の設定——法人営業職の中途採用候補者
ある企業の中途採用面接。候補者の職務経歴書には、「既存顧客への提案強化により、売上を前年比120%に伸ばした」という記載がありました。面接官はこの記載をもとに、面接をスタートします。
模範対話例:4つの質問と、その場で生まれる深掘り
この対話で使われている質問技術の解説
この対話は、「①きっかけ→②具体的行動→③成果→④振り返り」という4つの質問を軸にしながら、その合間にその場で出てきた言葉を拾う深掘り質問を挟んでいます。
今回の対話では、深掘り質問によって「自らデータを分析して課題を発見した」「顧客への直接ヒアリングで本質的な理由を突き止めた」「再現性のある仕組みを自分で設計した」「チームへの横展開にもつながった」という、職務経歴書の一文からは決してわからなかった、候補者の思考力・行動力・巻き込み力が、具体的に見えてきました。
「型」と「その場の深掘り」、両方が必要な理由
4つの質問という「型」だけを機械的に投げかけていると、面接は事務的な質問と回答の往復で終わってしまいます。一方で、深掘りだけをその場の思いつきで行うと、確認すべきポイントに漏れが生まれます。
「型」が面接全体の抜け漏れを防ぎ、「その場の深掘り」がその候補者ならではの本質を引き出す。この2つが組み合わさって初めて、職務経歴書の文字情報を超えた、生きた情報が得られます。
面接官として大切なのは、4つの質問を順番通りに聴きながらも、候補者の答えに耳を澄ませ、「もう少し詳しく聞きたい」と感じた瞬間に、迷わず一歩踏み込む姿勢です。この柔軟性こそが、面接の質を大きく左右します。
まとめ:型を軸に、その場の言葉を拾う——これが深掘りの本質
中途採用面接で本当のビジネススキルを見極めるには、「きっかけ」「具体的行動」「成果」「振り返り」という4つの質問を骨格にしながら、候補者の回答から出てきた具体的な言葉を、その場でオープンクエスチョンとして拾い上げることが欠かせません。
今日の面接から、この「型+その場の深掘り」の組み合わせを、ぜひ意識してみてください。
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田中 和義
株式会社エス・シー・ラボ 代表。人材ビジネス業界34年以上、営業・営業マネージャー経験25年以上。この6年間、面接官トレーニングのセミナー・企業研修を日本全国で展開し、年間170回以上の企業研修・講演を行う実践派講師。2,000人以上の面接官・経営者へのトレーニング実績を持つ。著書『採用を成功に導く面接官超入門 失敗しない見極め&動機づけの実践スキル』好評発売中。Amazonで購入する 楽天ブックスで購入する