これまでの記事で、コミュニケーションを妨げる「3つの壁」と、それを越えるための「聴き方」「伝え方」の技術をお伝えしてきました。この最終回では、特別なスキルを必要としない、今日からすぐに始められる3つの実践ポイントをご紹介します。そして、この小さな積み重ねが、最終的にどう組織全体の力につながっていくのかを解説します。
この記事でわかること
- 実践ポイント①:挨拶に一言添える
- 実践ポイント②:感謝を言葉にする
- 実践ポイント③:困っている人には、自分から声をかける
- 個人のスキルが、組織の力に変わるまで
- 今日から始める、1つのアクション
実践ポイント①:挨拶に一言添える
「おはようございます」——このひと言に、もう一言だけ添えるだけで、距離はぐっと縮まります。
「おはようございます」+ひとこと
もしくは「おはようございます」+名前
例:「おはようございます、〇〇さん」
名前を呼ばれた相手は、無意識に「自分は認識されている」と感じます。たったこれだけの工夫で、その日一日のコミュニケーションの空気が変わります。
実践ポイント②:感謝を言葉にする
「ありがとう」は、思うだけでなく、口に出すことが大切です。
例:「資料まとめてくれて助かりました」
具体的に伝えると、より気持ちが届く
「ありがとう」の一言だけでも十分ですが、「何に対して感謝しているか」を具体的に添えることで、相手はより強く「自分の行動が役に立った」と実感できます。
実践ポイント③:困っている人には、自分から声をかける
相手が声をかけてくるのを待たず、自分から声をかける——これが3つ目のポイントです。
例:「何か手伝えることある?」
そのひと声が、信頼を生む
困っている人ほど、実は「助けてほしい」と自分から言い出しにくいものです。周囲がその様子に気づき、先に声をかけること——このひと手間が、職場の心理的な安心感を大きく高めます。
特別なスキルより、
小さな行動の積み重ね
個人のスキルが、組織の力に変わるまで
ここまでご紹介してきた聴き方・伝え方・小さな実践は、一人ひとりの行動です。しかし、これが積み重なると、組織全体に大きな変化が生まれます。
「聴く」「伝える」という個人のコミュニケーション技術は、決して個人の中だけで完結するものではありません。一人ひとりの小さな実践が連鎖することで、組織全体の力に変わっていくのです。
今日から始める、1つのアクション
3回にわたってお伝えしてきた内容を、すべて一度に実践する必要はありません。明日から、何を変えてみますか?
「挨拶に名前を添えてみる」「感謝を具体的に言葉にしてみる」「困っていそうな人に自分から声をかけてみる」——このうちどれか一つで構いません。小さな一歩を、今日から始めてみてください。その積み重ねが、やがて組織全体の信頼関係へとつながっていきます。
📚 このテーマは全3回シリーズでお届けしました
第1回:部下に伝わらない本当の理由——世代・年齢・ポジションで変わるコミュニケーションの壁
第2回:【保存版】PREP法・SDS法・アイメッセージ——今日から使える聴き方・伝え方の全技術
第3回:挨拶、感謝、声かけ——今日からできる職場を円滑にする3つの小さな実践(本記事)
職場のコミュニケーションを組織として根本から変えたい方へ
コミュニケーション研修の導入、個人での動画学習、無料相談など、目的に合わせてご活用ください。
田中 和義
株式会社エス・シー・ラボ 代表。人材ビジネス業界34年以上、営業・営業マネージャー経験25年以上。年間170回以上の企業研修・講演を行う実践派講師。世代間・役職間のコミュニケーション研修、面接官トレーニング、ハラスメント防止、提案営業力強化を中心に、現場で使えるスキルの習得を支援している。著書『採用を成功に導く面接官超入門 失敗しない見極め&動機づけの実践スキル』好評発売中。Amazonで購入する 楽天ブックスで購入する