管理職になり、初めて面接を任されたとき——多くの人が、面接のやり方や知識について何のレクチャーも受けないまま、いきなり本番に臨みます。私自身もそうでした。「面接にスキルがある」ということすら知らないまま、人と会って話をし、なんとなく「いい人だ」と感じたら合格にする。そんな面接を、私自身も長くやっていました。この記事では、面接官になったばかりの人が共通して陥ってしまう失敗を、私自身の経験も交えて解説します。

この記事でわかること

  1. 「面接にスキルがあることすら知らなかった」——私自身の原体験
  2. 新人面接官が陥る、共通の失敗パターン
  3. なぜ「学校・知性・人柄」だけで判断してしまうのか
  4. 採用ミスを経験して、初めて見えてきたもの
  5. 面接は「センス」ではなく「知識とスキル」である

「面接にスキルがあることすら知らなかった」——私自身の原体験

私が管理職になり、初めて面接を任されたときのことです。会社や上司から、面接のやり方や知識について、何のレクチャーも受けませんでした。そもそも、面接に「スキル」というものが存在すること自体を、私は知りませんでした。

当時の私がやっていたのは、こんな面接でした。

候補者と会って、話をする。
その中で「どんな人か」を、なんとなく感じ取る。
学校もよくて、ある程度知性もあり、人柄も良ければ——「これでオッケーだろう」と判断する。

今振り返れば、これは面接ではなく、単なる「人物観察」でした。人によって、内在している能力はまったく異なります。しかし当時の私は、そうした「行動特性」や「実際にできること」をまったく見ていなかったのです。

その結果、私は採用がうまくいったケースも経験しましたし、明らかに採用ミスだった、というケースも経験しています。今振り返ると、これは決して珍しいことではなく、多くの新人面接官が同じ道をたどっているのではないかと感じます。


新人面接官が陥る、共通の失敗パターン

私自身の経験を踏まえ、面接官になったばかりの人が陥りやすい失敗を整理します。

1
「面接にスキルがある」という認識そのものがない
面接を「特別な技術が必要な行為」だと思っておらず、「人と話せば自然にわかるもの」だと考えてしまう。
2
表面的な属性で判断してしまう
学歴・知性の印象・人柄の良さ——これらは重要な要素ではあるものの、実際に業務で成果を出せるかどうかとは別の話。
3
行動特性を確認する質問を知らない
「具体的にどんな行動を取りましたか」という深掘り質問が思いつかず、印象の話だけで面接が終わってしまう。
4
「なんとなくいい人」で判断を確定させてしまう
はっきりした根拠がないまま、感覚的な好印象だけで「この人は大丈夫だろう」と結論づけてしまう。

なぜ「学校・知性・人柄」だけで判断してしまうのか

新人面接官が「学校・知性・人柄」に頼ってしまうのには、理由があります。これらは、短時間の面接の中でも比較的わかりやすく、感じ取りやすい情報だからです。

一方で、「課題を発見する力」「実行力」「困難への対処法」「チームでの動き方」といった行動特性は、意図的に質問を設計し、深掘りしなければ見えてきません。何も知らない状態で面接に臨めば、自然と見えやすい情報だけで判断してしまうのは、ある意味当然のことなのです。

大切なのは、これを「面接官の能力不足」ではなく「教わっていないことの結果」として捉えることです。知らなければ、できないのは当たり前です。


採用ミスを経験して、初めて見えてきたもの

私自身、採用がうまくいったケースと、明らかな採用ミスだったケース、両方を経験してきました。この経験を通して初めて気づいたのは、「人によって内在している能力はまったく異なる」という当たり前の事実でした。

学校が良く、知性があり、人柄も良い——それでも、実際の業務で求められる行動特性が備わっていなければ、期待した成果にはつながりません。逆に、第一印象では地味に見えた候補者が、実は高い実行力・課題発見力を持っていたというケースもあります。

採用ミスは、決して気持ちの良い経験ではありません。しかし、この経験があったからこそ、「印象ではなく行動の事実で見極めなければならない」という原則に、私自身がたどり着くことができました。


面接は「センス」ではなく「知識とスキル」である

私が今、面接官トレーニングの現場で最も伝えたいことは、この一言に集約されます。

面接は、センスではなく
「知識とスキル」であり、
トレーニングによってうまくなるもの。

私自身、何も教わらないまま面接官になり、感覚だけで判断していた時期がありました。しかし、行動質問・深掘り質問・評価基準といった「型」を学び、意識して実践することで、見極めの精度は確実に上がります。

もしあなたが今、初めて面接を任されて不安を感じているなら、それは決して能力が足りないからではありません。ただ、まだ「面接という技術」を教わっていないだけです。この事実に一人でも多くの面接官が気づき、正しい知識とスキルを身につけていくこと——これが、採用の失敗を減らす確実な道だと、私は確信しています。


まとめ:知らなかっただけ——だからこそ、これから学べばいい

面接官になったばかりの人が「学校・知性・人柄」だけで判断してしまうのは、能力の問題ではなく、教わる機会がなかったからです。私自身がそうであったように、多くの人が同じ道をたどっています。

大切なのは、「面接は知識とスキルであり、学べば必ずうまくなる」という事実に気づくことです。今から学び始めれば、次の面接から確実に変わります。

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田中 和義

田中 和義

株式会社エス・シー・ラボ 代表。人材ビジネス業界34年以上、営業・営業マネージャー経験25年以上。この6年間、面接官トレーニングのセミナー・企業研修を日本全国で展開し、年間170回以上の企業研修・講演を行う実践派講師。2,000人以上の面接官・経営者へのトレーニング実績を持つ。著書『採用を成功に導く面接官超入門 失敗しない見極め&動機づけの実践スキル』好評発売中。Amazonで購入する 楽天ブックスで購入する