「この部下は、正直、人間的にちょっと苦手だ」——マネジメントをしていれば、誰しもこう感じる相手が一人はいるものです。しかし、「好き・嫌い」という感覚に頼ったマネジメントには限界があります。そこで役立つのが「ソーシャルスタイル」という考え方です。ソーシャルスタイルを活用すれば、たとえ人間的に苦手なタイプの部下であっても、うまくマネジメントできるようになります。この記事では、その理由と具体的な活用方法を解説します。
この記事でわかること
- 「好き・嫌い」に頼ったマネジメントの限界
- ソーシャルスタイルとは何か——4つのタイプ
- なぜソーシャルスタイルが「苦手」を乗り越えさせてくれるのか
- 4タイプそれぞれへの、具体的な関わり方
- 「苦手なタイプ」は、実は自分と対極のスタイルであることが多い
- ソーシャルスタイルを実践する、3つのステップ
「好き・嫌い」に頼ったマネジメントの限界
マネジメントをしていると、部下に対して自然と「話しやすい」「なんとなく苦手」という感覚が生まれます。これは人間である以上、避けられないことです。しかし、この感覚だけに頼ってマネジメントを続けると、大きな問題が起こります。
「苦手だから、なんとなく距離を置いてしまう」「話しやすい部下ばかりに目が向いてしまう」——これでは、贔屓と受け取られるリスクや、苦手な部下の力を十分に引き出せないリスクが生まれます。マネジメントは、好き嫌いの感情ではなく、相手を理解するための「型」を持つことで、格段にやりやすくなります。
その型として、私が研修で必ずお伝えしているのが「ソーシャルスタイル」という考え方です。
ソーシャルスタイルとは何か——4つのタイプ
ソーシャルスタイルとは、アメリカの産業心理学者によって提唱された、人の行動特性を「感情表現」と「自己主張」という2つの軸で分類する理論です。人は誰しも、次の4つのタイプのいずれかに近い傾向を持っています。
なぜソーシャルスタイルが「苦手」を乗り越えさせてくれるのか
「この部下が苦手だ」という感覚の多くは、実は「相手の行動の理由がわからない」ことから生まれています。
「なぜこの人は、こんなに感情的に話すのだろう」「なぜこの人は、いつも結論を急ぐのだろう」——理由がわからないまま接すると、その言動は単に「苦手な性格」として片づけられてしまいます。しかし、その行動が「タイプによる傾向」だとわかれば、「苦手な人」ではなく「そういうタイプの人」として理解できるようになります。
感情的な好き嫌いの対象だった相手が、「対応の仕方がわかる、ひとつのタイプ」に変わる——これが、ソーシャルスタイルを学ぶ最大の効果です。
4タイプそれぞれへの、具体的な関わり方
「苦手なタイプ」は、実は自分と対極のスタイルであることが多い
興味深いことに、「苦手だ」と感じる相手は、多くの場合、自分自身とは対極のソーシャルスタイルを持つ人であることが少なくありません。
例えば、結論を重視するドライビング型の上司は、じっくり関係性を築こうとするエミアブル型の部下を「決断が遅い」と感じやすく、逆にエミアブル型の上司は、ドライビング型の部下を「冷たい」と感じやすい傾向があります。これは相性の良し悪しではなく、単に「タイプの違い」です。
この事実を知っているだけで、「合わない」という感覚が、「タイプが違うだけ」という理解に変わります。この認知の転換こそが、苦手意識を乗り越える鍵になります。
ソーシャルスタイルを実践する、3つのステップ
まとめ:苦手なタイプは、「わからないタイプ」だっただけ
「人間的に苦手だ」と感じていた部下も、ソーシャルスタイルという視点を持つことで、「対応の仕方がわかる、ひとつのタイプ」として理解できるようになります。感情的な好き嫌いに頼ったマネジメントから抜け出し、相手のタイプに合わせた関わり方を選択できるようになること——これが、ソーシャルスタイルを学ぶ最大のメリットです。
どんなタイプの部下であっても、うまくマネジメントできる自分になるために、まずは自分自身のスタイルを知ることから始めてみてください。
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ソーシャルスタイルを活かしたマネジメントを組織で学びたい方へ
管理能力養成研修・コミュニケーション研修の導入、個人での動画学習、無料相談など、目的に合わせてご活用ください。
田中 和義
株式会社エス・シー・ラボ 代表。人材ビジネス業界35年以上、管理職経験25年以上。年間170回以上の企業研修・講演を行う実践派講師。ソーシャルスタイル・管理能力養成・コミュニケーション・コーチングを中心に、現場で使えるスキルの習得を支援している。